北八ヶ岳ロープウェイ 荻原社長インタビュー

2019年7月11日蓼科の人・会社・活動の紹介インタビュー, スキー, スノボー, ピラタス蓼科スノーリゾート, 北八ヶ岳ロープウェイ, 社長, 観光協会

 本日は株式会社北八ヶ岳リゾート(北八ヶ岳ロープウェイ/ピラタス蓼科スノーリゾート)の社長であり、蓼科観光協会会長でもある荻原芳一氏に色々話を伺いました。

 荻原氏は蓼科生まれ蓼科育ちの70歳です。

執務室で仕事中の荻原社長

(以下敬称略)

担当:今日は蓼科区公式WEBのためにお時間を賜り、ありがとうございます。本WEBは蓼科への移住促進と蓼科の一層の活性化を目的として今年から始めたものなんです。蓼科の人・活動・会社を少しずつ紹介していきたいと思っているのですが、その記念すべき第一号インタビューを社長にお引き受け頂きとても光栄です。

荻原:いえいえ、私なんかで良ければ。蓼科のためならいつでも一肌脱ぎますよ(笑)

担当:ありがとうございます。まずは御社のことについて色々お話願いたいのですが。というのも蓼科への移住を考える人にしてみれば、退職者を除けば仕事をどうするか、ということが関心事となります。

荻原:なるほど。就職口としての弊社ですね。

担当:社員は何人ぐらいいらっしゃるのですか? 

荻原:そうですね、ざっと夏季40人、冬季5~60人ほどですね。アルバイトは常に募集してますよ。

担当:どこにコンタクトすればよろしいのでしょう?

荻原:支配人の両角(もろずみ)までお願いします。(⇒連絡先)

担当:職種としてはどんなものがあるのですか?

荻原:うちには売店・レストランもありますのでその関係の方。ロープウェイの技術職。切符の窓口。スキー場の運営関係。スキースクールのインストラクターやパトロールも。美術館。その時々、欠員が出れば募集しますよ。

担当:たとえば都会のサラリーマンだった方とかが、短期間のバイトというよりは、より長期間働きたい場合、つまり中途採用で御社に就職を希望といった場合には、具体的にどうすればよろしいのでしょう?

荻原:ご期待に応えられるかどうかは分かりませんが、まずは履歴書を送っていただきたいですね。逆にバイトからでも参加していただければ会社の雰囲気も分かりますし。バイトであっても本人が希望し認められれば正社員へという可能性は当然あります。

担当:採用基準は、やはり「やる気」ですか?

荻原:もちろん、やる気は大切です。やる気がない人を雇いたいという経営者は存在せんでしょう。(笑) とはいえ、「やる気」の中身が問題ですね。

担当:といいますと?

荻原:「やる気」にも色々あるんですよ。たとえばね、「俺が、俺が!」という「やる気」を考えてみてください。とにかく出世したい、有名になりたい、金を儲けたいと。そういう「やる気」ももちろんあるし、そんなギラついた若者を僕も嫌いじゃない。応援したいと思う。けれどね、弊社の立場として何が何でも金儲けが一番だとは考えていないのです。一応、株式会社なので金儲けを否定するわけではないが、同時に地元の企業としての使命・責任もあるんですよ。

担当:地元の企業としての使命・責任といいますと? 

荻原:たとえばね、弊社が利益至上主義だとしますね。じゃ、どうすれば儲かるのか? 一番簡単な方法って何だと思いますか?

担当:あ、いえ。見当もつかないですけど。不動産投資とかですか?

荻原:いや、不動産投資はリスクがあるでしょう。一番確実で簡単な方法は、ロープウェイの料金を高くすることですよ。

担当:なるほど!

荻原:ごく単純化して説明すれば、今、山頂駅往復で1,900円。これを倍の料金にしてお客の数が変わらなければ売り上げは倍。あるいは客が2割減っても売上金自体は8割ですか、大きく増えることとなる。コストを引いた利益は何倍にもなるかもしれない。これはもちろん単純化した極端な例ですよ。実際にはこんな簡単じゃないから。

担当:なるほど。ロープウェイは独占企業ですしね。資本主義社会の一企業としては、合理的な選択になるかもしれませんね。

荻原:しかしうちがそれをやったら、どうなるか? 蓼科にはご存知の通り、父ちゃん母ちゃんで経営している多くのペンションがある。ホテルや旅館もある。レストランもある。うちのお客が2割減るということは、彼らの商売にとって決してプラスになることじゃない。うちが自分のところの利益だけで商売したら蓼科全体はどうなるのか? 茅野市にとっても決してプラスじゃない。

担当:つまりそれが地元企業としての使命・責任であると。

荻原:そういうことです。蓼科あっての弊社であると。会社として安定的に利益を出していくのは継続的発展という意味でもとても重要なことだと思っています。けれど、それだけじゃない。こんなこと言ったら格好つけすぎと笑われそうだが、人間、金だけがすべてじゃないでしょう。(笑) もともとロープウェイ自体、地元の財産区と県が協力して作ったものだしね。初めから公共的な性格のものなんですよ。

担当:そういえば以前、区その他の協力者を集めて行われた、ビーナスライン沿いの支障木の伐採作業で、社長自らが大型トラックを運転し作業をされているところを見たことがあります。社員さんが何人かお付き合いで出て来るだけかなと思ったら、率先して作業をされているので、すごいなあと感心したことがあります。

荻原:いやいや、そんなこともないですがね。(笑)

それにね、ロープウェイの仕事なんてものは、地味なもんなんですよ。事故が無くて当たり前。何もなくてナンボの世界。

たとえばね、事故があってレスキュー隊が来て人々を救出してって、大変に立派なお仕事だし華々しくてまさにヒーローだよね。けれどそれは事故があっての話。我々からすれば、事故があってはいけない。ヒーローが出るような場面を作ってはいかんのです。毎日毎日、安全確認をする。ヒーローなどどこにもいない。目立つこともない。褒められることもない。そんな毎日を、しっかりと送る。それこそが人の命を預かる我々の仕事なのだ、と。

担当:いやあ、深いですね! それこそが本当のヒーローなのかもしれませんね。何もないことこそが大事なのだ、と。そういうお話が先ほどの「やる気」にもつながりそうですね。

荻原:そうです。「やる気」にも色々あるということです。ヒーローになりたければ、消防署だとか救急隊員だとか別の職場があるだろうと。もっとも我々にもスキー関連で怪我をしたお客様のレスキューといったことはありますよ。事故が無いのに越したことは無いが、スキー・スノボーで事故をゼロというのは難しいしね。少しでも減らす努力をしているわけだが。

担当:職場の魅力ということを考えると、スキー、スノボーが好きな人には御社は最高の職場かと思います。あとは山登り、八ヶ岳が好きな方とかにとっても。

荻原:しっかり仕事はしつつも、生活を楽しみたい。山登りもしたい、という人にとっては弊社もそうですが、蓼科は魅力的だと思いますよ。職場の雰囲気は和気藹々だしね。本当はもうちょっと厳しい方が良いのかもしれんが。(笑)

担当:体育会系、体力自慢も歓迎ですか?

荻原:そりゃ大いに大歓迎だよ。うちには真夜中にスキー場で水を空中に散布して雪作りという、とても楽しい仕事もあるからね。(笑)

担当:そ、そ、それは寒そうですね!

荻原:作った雪はならさないといけないしね。スキー場で安心して滑ってもらうためには、夜、お客さんがいないときに作業をする必要があるんです。

担当:真冬の山の中で雪を相手の作業! まさに体育会系、体力自慢向けですね!(笑)

さて、だいぶお時間を頂戴してしまったのですが、社長は蓼科観光協会の会長をされていらっしゃいますが、観光協会のお仕事についても簡単にお話いただけませんか?

荻原:いや、蓼科発展のために皆さんに協力して頂いていますから。僕なんかは何もしてませんよ。(笑)

担当:いや、そんなことは無いと思いますが。(笑) 僕には見当もつきませんが、観光協会の会長というのは、具体的にはどんなお仕事をされているのですか。

荻原:僕の役割は、日々の業務というよりは調整役なのだと思っています。地元あってのロープウェイというお話をしたが、観光協会も蓼科のことだけを考えるのでは足りない。茅野市との連携が大切であり、また時には県との調整も必要になってくる。やはり蓼科というのは、茅野市の中での観光の目玉なんですよ。蓼科だけじゃないけどね、やはり県外の人達を呼び込む大きな集客力が蓼科にはある。その人たちは当然、茅野市の蓼科以外の場所にも金を落としてくれるわけです。市の方もその重要性はよく理解してくれていて、協力してくれるわけです。そうした内外の人達の協力体制をいかにスムーズに回して、蓼科も茅野市も発展させていくか。

やはり最後に大事なのは、人間関係ですよ。言葉を変えるとちゃんと酒を飲んでお付き合いするということです。(笑)

担当:いや、これは話のオチまでつけていただきましたね!(笑) 今日はどうもありがとうございました。

荻原:ありがとうございました。

●ピラタス蓼科スノーリゾート https://www.pilatus.jp/

●北八ヶ岳ロープウェイ https://www.kitayatu.jp/

●蓼科観光協会 http://tateshina.ne.jp/