住民主体の移送サービスに関する学習会

2019年7月11日蓼科区について学習会, 市役所, 移送サービス

 本日、茅野市役所で、「住民主体の移送サービスに関する学習会:道路運送法における許可又は登録を要しない運送について」が行われました。蓼科区としてその学習会に参加してきましたので、忘れる前に^^;学んだ内容を記録しておきます。蓼科区民の方々とも理解を共有いたしたく、ぜひご覧になって下さい。
 本日、講師をされたのは、長野運輸支局の運輸企画専門官 中村基人(なかむらもとひと)氏です。

本日の勉強会の資料です。

 さて免許証を返納した地方の高齢者は、移動手段が限られてしまいます。タクシーが使えない地域もあれば、また料金の問題もあります。そこで住民相互の互助を促進というニーズが高まっており、国土交通省でルールの明確化が図られたそうです。

 タクシーにしろバスにしろ、運賃を取って他人を載せる事業は道路運送法の規制を受けるのですが、一方で住民が相互補助として乗り合いを行なった場合には、どうなるのか? どのような場合に道路運送法の適用除外となり、許可・登録が不要になるのか。またその場合、どのような点に注意する必要があるのか、といったことです。

 我らの蓼科もまた、公共交通手段は限られており、自分自身が高齢者となった場合、どのような移動手段があるのかというのは他人事ではありません。また毎日の学校の送り迎えも必要であり(歩いて通学できる距離ではありません)若い人の大きな負担となっています。

 結論から言えば、地域住民が他人を自身の自動車で送り迎えする場合、運賃を取る場合には、道路運送法の許可なり登録の対象となります。逆に言えば、運賃を取らなければ許可も登録も不要です。

 ではサービス提供者は何を受け取れるのか? ・・・ガソリン代、駐車場代、有料道路代といった実費を受け取ることは可能です。つまり実費の授受がなされたからといって許可も登録も不要です。さらに任意の謝礼を受け取ることも出来ます。ここが少しややこしいところです。もう少し詳しく書きます。

 任意の謝礼の授受は出来るのですが、あらかじめ、決めた金額を受け取ることはできません。たとえば、「僕の車で、あなたを載せてショッピングセンターの往復をしてあげるから、ガソリン代と1,000円払え」と言うことはできません(道路運送法上、登録・許可が必要です)。しかしながら、 「僕の車で、あなたを載せてショッピングセンターの往復をしてあげるから、ガソリン代を払え」 とは言えますし、サービスを受けた人から、「どうもありがとうございました。ほんの気持ちです」と 任意の謝礼 1,000 円を受け取ることも可能なのです (道路運送法上の登録・許可は不要です)。 1,000円の授受が問題なのではなく、運賃なのか、謝礼なのかの区別こそが問題だということです。

 任意の謝礼ですから、金額に関する基準は存在しないようです。とはいえ全くいくらでも良いということでもないのかも知れません。講師の方は「常識の範囲ということじゃないかと思います」とおっしゃっていました。また実費としてのガソリン代にもある程度の客観性が必要なようです。以下、資料のコピペです。

 なお蓼科の場合、高低差が大きく、当然、燃費は悪くなります。講師の方にその辺を質問したところ、「当然、調整していただいて結構です。この計算式は一例に過ぎないとお考え下さい」とのことでした。

 蓼科区として住民福祉の向上の観点から移送サービスを考えた場合、●ボランティアで高齢者などを自分の車に乗せて運転してくれる人/●サービスを受ける人 両者をつなげるということは出来そうな気もします。その場合は、「運賃はダメだが任意の謝礼はOK」と強調する必要がありそうです。

 こうした許可・登録が不要な移送サービスを行う場合の留意点の説明もありました。関連の説明資料を以下にコピペします。

 つまり当事者は、タクシーやバスなどで受けられる法律上の保護はありません、ということ、事故があった場合の責任の所在、保険関係について、あらかじめ認識しておくことが必要だということです。

 まとめます。蓼科区として住民の移送サービス関わる場合は、以下を当事者に明示することが必要だと思われます。

●サービスを提供する人には「ガソリン代など実費は要求できますが、運賃は要求できません。運賃の授受をする場合には、道路運送法が適用されて、許可・登録が必要となります。」 
●サービスを受ける人に対しては、「ガソリン代など実費はお支払い下さい。運賃は支払ってはいけません。ただし謝礼の支払いは任意で行うことが出来ます」。 
●両者に対して、「道路運送法上の保護が無いこと、保険の概要(特に自動車保険の搭乗者保険の有無が関連するように思います)を説明・納得していただきたいこと、蓼科区としては運送責任を負えないこと」

  
 講師の中村氏に確認したところ、今日の講演の内容は、基本的に国土交通省の平成30年3月30日の通達「国自旅338号」 「道路運送法における許可又は登録を要しない運動の態様について」に沿ったものだそうです。

 詳細はこちらのPDFをご参照ください。⇒ 「道路運送法における許可又は登録を要しない運動の態様について」

 なおいうまでもありませんが、筆者は法律の専門家ではなく、本記事は法的なアドバイスを目的としたものではありません。念のため申し上げます。

 2019.5.23追記 
 昨日社協の方から本件、移送サービスに関する保険の小冊子を2冊、頂きました。情報を共有いたしたくPDFファイル作成しましたので載せておきます(万一、小冊子作成者様の方でコピーライト等何か問題があればご連絡下さい) 。

 まずこちらは送迎サービス補償。送迎中の事故に関する保険だそうです。

 次にこちらは福祉サービス総合保障。こちらは送迎中だけではなく、車に乗り込む前に転んだといった事故も含んだ保険とのことです。

 ●参照リンク。⇒ふくしの保険